先日、二人の医師を交えてバレエダンサーに関する
非公開勉強会を開かせていただきました。
(他にも理学療法士、柔道整復師が参加)

その中で「側弯症」に関する話が沢山ありました。
そこで私が感じたことをここでは書こうと思います。

その前に、側弯症っぽいかどうかを簡易的にチェックする方法があります。
背中を丸めてゆっくり前屈するだけです。
すると片方の背中だけが高くなります。
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こんな感じ。(これは私が擬似的に行なっています)
一応参考までに。


話を戻しまして、勉強会で私が「バレエダンサーは
一般女性よりも50倍側弯の人が多い」というデータがあることをお話ししたときに、

「何歳の時点でどんなバレエダンサーを対象にして測ったんでしょうね」と
おっしゃったのです。(ちなみに対象者はプロダンサーです)

なぜそんな質問をされたのかも丁寧に教えてくださいました。


「バレエが側弯の原因になっている可能性があるかもしれない一方で、そこまでバレエを続けている人はそもそも側弯になりやすい体質だったのでは?」


とお話しされ、続けて、
「側弯にならないような条件のダンサー達はみんな辞めていっただけで、原因はバレエ以外にあるのかもしれないですね」

ちょっと、ややこしい話なのでもう一つのお話を例え話にご紹介します。


「水泳をやると側弯になる」なんて話があります。
水泳選手は側弯の人が多いのは事実です。

しかし、もしかしたら「水泳を長く続けている人は、そもそも側弯になりやすい体質だったのでは?」という風にも考えられます。

実は水泳とバレエはとても共通点が多いのです。
水泳では水の抵抗を少なくするために、背骨をまっすぐにすることが重要になります。
(水泳:ストリームライン、バレエ:引き上げ)

上体を安定させたままで腕をしなやかに回すことが求められます。
(水泳:肩甲骨周りの可動域、バレエ:同左)

キックでの推進力を出すために、高い足首の柔軟性が必要になります。
(水泳:キックでの伸びたつま先、バレエ:ポワント)

いかがですか?

私が関わってきた速い水泳選手(日本代表や国体決勝レベル)は皆バレエダンサー並みに関節がゆるく、それでいて筋肉が強くしなやかでした。

膝を伸ばして座り、床につま先がつく選手を何人も見たことがありますし、北島康介選手は膝が床から30度ほど曲がるとまことしやかに言われています。
 
バレエでいうエックスの膝ですね。

つまり、バレエダンサーが側弯症になるのはバレエだけが原因ではなく、そもそも関節弛緩性が高いこと自体が側弯を生み出しやすく、「柔軟性が高いことによってバレエを長く続けている人たち」の中に側弯になっている人が多いということではないかと。


身体が硬いと水泳もバレエも途中で辞めちゃうんだと思います。
どんなに頑張っても向いていないと感じるのでしょう。


つまり「特発性側弯症」(原因がわかっていない側弯)の原因として「考えられる」のは、関節弛緩性が高いことであって、バレエ自体や、水泳自体が側弯を加速させる原因としてどれくらいの要素があるかは
よくわかっていないわけです。


50倍側弯が多いからといって、50倍側弯になりやすいわけじゃないのです。 


”残った人たち”を調べてみたら50倍多かったんですが、その人達はそもそも側弯になりやすい人たちだった。

そう考えることの方が自然なのです。

ただ、バレエでも水泳でも左右非対称なことをするのが側弯を加速させる原因になるのは間違いありません。

例えば、水泳だとクロールの息継ぎの方向であり、バレエなら右のふくらはぎと左の腰を使うアラベスクなどが逆の動きとの回数の差が大きく、筋肉が非対称に発達します。

一方でほとんどのスポーツも日常の身体活動も左右非対称ですから、バレエや水泳が悪いとは言えないと思います。
(フィギュアスケートなんて着地の足がいつも同じでジャンプの回転方向もほとんどが同じ方向に回っていますね)

ではどうすればいいのか?

明確が原因がわかっていない以上、明確な対処法は存在しませんが、


体幹部を左右対称に使えるようなトレーニングを行なうことはある一定の効果があると考えています。

ただ、左右交互にトレーニングを行なうだけでは、左右非対称の筋肉を使ってしまう可能性が高いので、使い方含めての指導がポイントになると考えています。
(つまり苦手な動きをごまかして使ってしまうなら効果が出ないということです)


直す!とは言いませんし言えません。
しかし、何も対処をしないよりは役立つと考えてトレーニングを紹介することはできます。


「バレエを辞めた方が良いかしら」なんて思う前に、ちょっとトレーニングをしてみてみるのも良いかもしれません。 
セカンドピニオンのつもりでバレエに理解のある伊藤先生にレントゲンを見てもらうのも良いかもしれません。
(現在のところクリニックでのレントゲン撮影はできませんので、撮影したものを持ってきてください)

ご覧いただいている方が北海道在住ではないなら、今回の勉強会を開催するきっかけを作った足立先生のダンス外来を尋ねると良いでしょう。

特発性側弯症は未だによくわかっていないことが多く、それでいて、皆さんが思っている以上にプロダンサーに側弯症の人が多く存在しています。

自分で判断するより、バレエに理解ある専門家のアドバイスを参考にして
判断することをお勧めします。
 

追記:
フィギュアスケーターやバレエダンサーを沢山診ている
葵接骨院の藤田院長がこの記事をきっかけに
記事を書かれていますので合わせてお読みいただくと
いろいろな気づきを得られると思います。 


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